質の高い睡眠と自律神経(交感神経・副交感神経)の関係性

ここ数年、テレビの健康番組で睡眠の特集が多くなり、多種多様な快眠グッズが発売されていることも後押しになって、国民全体の“質の高い睡眠”へのこだわりが高くなっています。

しかし、日常生活で睡眠に大きな影響を与える「自律神経」を乱す習慣があると、睡眠の質は高まるどころか、逆に、どんどん低下していくのです。

仕事や家事、育児などで忙しい日々を送っていると、どうしても寝る時間が遅くなって睡眠不足に陥ってしまい、疲れやストレスが翌日まで持ち越されて、日常生活に支障が出てきます。

常識と思い込んでいることの中にも、自律神経を乱す行動がたくさんありますので、起床時から就寝時の活動を振り返ってみましょう。

カラダのリズムを考えた生活をするだけで、寝つきがよくなるうえに、朝まで目が覚めることがない熟睡が得られますよ。

自律神経を乱す2大要因

わたしたちのカラダの中には、生命活動をコントロールするための、さまざまな神経が張りめぐっています。

その中でも、自分の意思でコントロールできないのが「自律神経」で、カラダや脳の活動を後押しする「交感神経」と、心身をリラックスモードに導く「副交感神経」から成り立っているのです。

日中は行動力が高まりますので、わたしたちの自律神経は交感神経がONになり、体温や脈拍が上昇してパフォーマンスアップをサポートします。

しかし、1日中、交感神経がはたらいていると疲労が蓄積しますし、脳もはたらきが鈍ってきますので、夕方過ぎから副交感神経が優位の状態になり、交感神経にブレーキをかけているのです。

車で例えるなら、交感神経はアクセルで、副交感神経はブレーキの役目を持っていると言えますね。

しかし、自律神経は非常に繊細にできているので、ちょっとした刺激で失調状態になります。その代表格と言えるのが、ストレスと環境の2つです。

ストレスによる興奮が睡眠の妨げに

人間関係がうまくいかない、仕事のプレッシャーが大きい、悲しい出来事があった・・・。

わたしたちの日常生活はストレスだらけで、そのショックを受けるたびに交感神経が興奮します。

暑くもないのに汗が出る、心臓がドキドキするといった症状が、まさにこの状態です。

交感神経の興奮は、時間の経過とともに収まっていきますが、ショックが大きかったり、普段からストレスがたまっていたりすると、睡眠時に副交感神経が優位にならずに眠りの質がどんどん低下していきます。

布団に入っても、嫌なことを考えてしまって寝つきが悪くなるといった経験、みなさんにもありますよね。

昼間と同じ環境が脳を覚醒する

ストレス以上に厄介なのが、脳を刺激する夜の環境です。

わたしたちの体内には、夜になると自然に眠気を発生させて、睡眠で疲労とストレスを回復させる体内時計が存在するのですが、昼間と同じような環境で生活することが、このはたらきを阻害します。

たとえば、照明や熱の刺激。

寝る前まで明るい照明を点けていると、眠気を発生させる「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌されにくくなり、布団に入ってもなかなか寝付けなくなります。

また、寝る直前に入浴すると、お湯の刺激が交感神経を活性化して、優位になっていた副交感神経のはたらきを抑止してしまうのです。

その結果、眠りについても疲労回復につながる深い睡眠が得られず、睡眠の質が低下していきます。

ですから、夕方過ぎからは、カラダに刺激が加わることは徹底的に避けて、副交感神経をしっかりはたらかせて心身を落ち着かせる必要があるのです。

質の高い睡眠につながる朝習慣

質の高い睡眠は、寝る前の刺激が少ない環境だけでなく、朝起きた時の習慣も影響します。

目が覚めた直後は、まだメラトニンが分泌されている状態ですので、頭がボーっとした状態になっていますし、カラダを動かすのも億劫に感じますよね。

この状態から脳を覚醒に導いてくれるのが、太陽の光なのです。

朝起きてすぐにカーテンを全開にして日光浴をすれば、メラトニンの分泌が止まって交感神経がONになり、体温や血圧が上昇して活動モードに移ります。

また、メラトニンは太陽光を浴びてから15時間後に再分泌されますので、いつも同じ時間に眠気が発生して、質の高い睡眠をサポートしてくれるのです。

さらに、下記に挙げるような行動を朝の習慣にすれば、脳もカラダも活動的になって、充実した1日がスタートしますよ。

足と手を温める

寝ている間に下がった体温は、夕方過ぎまで上昇していくのですが、心臓から離れた位置にある手足の先は血のめぐりが悪い状態にあります。

これをサポートするのが、足湯や手湯です。

お湯を入れたバケツに足を浸けたり、洗面台にお湯をためて手をひたしたりすれば、数分でポカポカの状態になって体温上昇が後押しされます。

朝食を必ず摂る

足湯や手湯で手足を温めて、交感神経の動きが活発になっても、内臓などの温度までは上がりません。

そこで必要になるのが、カラダの熱を作り出すためのエネルギー源である朝食です。

睡眠不足の状態にあったり、質の高い睡眠が得られない状態が続いていたりすると、朝は食欲がないことが多くなりますが、食事を抜くと体温が上がらずに日中の活動力が低下します。

朝食抜きが当たり前の習慣になると、慢性的な冷え性になって寝つきの悪さを招きますので、質の高い睡眠を得るためにも必ず朝からエネルギー補給をしましょう。

食欲がまったくない朝は、牛乳と果物、野菜スープだけでも構いませんので、必ず食べ物を胃に入れて日中の活動の糧にしてくださいね。

寝つきが悪い人が改善すべき夕方までの行動

朝の習慣を見直せば、昼ぐらいには交感神経がかなり活性化して、日中の行動力がアップします。

しかし、油断は禁物です。

日中の習慣の中にも、副交感神経のはたらきに悪影響を与え、快眠の妨げになる行動が意外とたくさんあります。

とくに注意したいのは、飲み物の種類と昼寝習慣です。

リラックスのために飲んでいるコーヒーや緑茶には、夜になっても脳を覚醒させるカフェインが含まれていますし、利尿作用が高まってトイレに行く回数が増えて、排尿のたびに体内の熱が奪われてしまうことも。

また、昼寝も時間や眠り方を間違うと、体内時計を狂わしてしまうのです。

もし、朝はしっかり日光浴を浴びて食事を摂り、夜は刺激の少ない生活をしているにもかかわらず、睡眠のお悩みを抱えている方は、下記の習慣を取り入れてみてください。

昼過ぎからはノンカフェインドリンクを飲む

カフェインの覚醒作用は個人差がありますが、人によっては睡眠時にまで及ぶことがあります。

とくに、寝る前のリラックスドリンクとしてカフェイン飲料を飲んでいる方は、気分がホッとする一方で、浅い眠りの割合が多くなり、質の高い睡眠が得られなくなっている可能性があるのです。

こうしたカラダへの作用を考えたら、できれば昼過ぎからは、ハーブティーなどのノンカフェインドリンクを飲むようにするべきですね。

カモミールやラベンダー、ローズヒップなどは鎮静効果もありますので、ストレスを強く感じている方におすすめです。

午後3時以降は昼寝しない

短時間の昼寝は、心身の疲労回復につながりますので、睡眠不足を感じている方に、ぜひ、取り入れて頂きたい習慣ですね。

しかし、午後3時以降に睡眠をとると体内時計が狂い、夜の寝つきの悪さにつながります。

また、昼寝をする時は、机に座ったままの状態で寝るのが基本。

横になって眠ってしまうと睡眠が深くなり、寝起きの気分が悪くなって、その後のパフォーマンスが落ちてしまうのです。

昼寝をする時は、

「午後3時まで、机に座った状態で寝る」

というルールを守ってくださいね。

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